投資信託とETFのコスト比較(S&P 500)
S&P 500連動型の投資信託とETFのコストを比較してみた
投資信託と米国ETF、どちらが良いのか、頭を悩ませています。
自分がネットで調べたところ、「投資信託のほうが有利」との見方が多数でしたが、ETFが勝つ方法はあるのでしょうか。
逆に、投資信託は本当に安価と言えるでしょうか。
そこで今回は、S&P 500に連動する投資信託と米国ETFを比較します。
(注:自己流で比較をしているので、間違いなどあるかもしれませんが、ご容赦ください。また、間違いなどをご指摘いただければ、大変ありがたく存じます。)
比較対象
・米国ETF:VOO
・投資信託:eMaxsis slim 米国株式
前提条件
・マネックスの「買い付け手数料無料」キャンペーンが永続するものと仮定(すなわち、売買手数料は売却時のみ発生すると仮定)
・eMaxsisの実質コストは0.16%とする。これは、執筆時(2020年8月)最新の運用報告書の「1万口当たりの費用明細」を参照した。
比較
(補足説明)
・コスト=(保有コスト*年数)+(売買手数料*売却頻度)として計算。
・売却頻度を、1年に1回、3年に1回、5年に1回と分けて比較。投資信託は売買手数料が無料のため、売却頻度ごとのシナリオは1つのみ。
・「3年に1回」売却するシナリオは、以下の売却回数で計算
5年保有:0.45%*2回
10年保有:0.45%*3回
15年保有:0.45%*5回
20年保有:0.45%*7回
分析
・1年に1回売却する場合は、投資信託のほうが圧倒的に安い。
・3年に1回程度の売却頻度ならば、投信と同等程度。
・5年に1回売却する場合は、ETFのほうが安価となる可能性が高い。
考察・感想
一言で言えば、米国株の売買手数料がすべて。
そのため、売買の頻度を少なくすれば、ETFが有利になる場合もあると考えます。
なお、自分はマネックスを利用していますが、売買手数料のキャンペーン(買付手数料無料)が終わってしまうと、購入頻度も抑えなければいけなくなるため、ETFで取引する難易度が上昇すると思います。
投信 vs ETF = 信託報酬 vs 売買手数料と言い換えることもできるかなーという印象。
以下、箇条書きで整理。
米国ETF
・信託報酬が安い。そのため、売却頻度を5年に1回以下に抑えれば、ETFの手数料は安価なものになる。
・売買手数料が高過ぎる。今回は考慮していないが、実際はドルへの両替コストも取られるため、さらにコストがかかる。
・ノーロード(=売買手数料がかからない)という点が大きなメリット。
・信託報酬以外のコストが不明瞭。今回の検証に用いた実質コストよりも高いコストがかかる危険性はある。
終わりに
今回は、自分なりにコスト検証を行いました。
様々な前提・仮定のもと、検証をしましたが、逆に言えば、前提条件が変われば結果も変わってくるので、今後も情報収集を続けたいです。
また、米国株の手数料は、はっきり言って高すぎると思います。
一方、投資信託も、信託報酬を一生懸命引き下げていますが、その他の手数料を考慮すると、意外と高くなるのでがっかりです。
手数料のさらなる引き下げに期待します。
なお、今回はS&P 500に連動するタイプの商品を比較しましたが、今後はREITや債券などのETFについても調べてみたいと思います。